登録年月日:2014.8.21
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武雄鍋島家洋学関係資料は、佐賀藩武雄領の領主であった武雄鍋島家に伝来した1万6千点を越える資料の内、西洋科学技術の受容に関する資料群です。武雄市図書館・歴史資料館には、考古資料なども収蔵されており、これらを紹介するバラエティに富んだ企画展を、年数回開催しています。
解説
本資料群は、武雄エリアが長崎を通じて西洋の先進的な科学技術を取り入れ、佐賀藩ひいては日本の近代化に大きな影響を与えたことを示す貴重な資料です。文書や書籍、地図、器物など2,224点から構成されています。 江戸時代後期、西洋との唯一の窓口であった長崎の警備を担当していた佐賀藩は、相次ぐオランダ以外の欧米諸国からの船舶の到来に危機感を覚えていました。佐賀藩家臣で武雄領主の鍋島茂義は、長崎で家臣に西洋砲術を学ばせ、後に自身も学びました。また、オランダを通じて西洋の最新の学問が書かれた書籍類や珍しい品物を多く集め、研究を行いました。武雄の研究の成果は、佐賀藩にもたらされました。やがて佐賀藩は、日本の近代化に大きな影響を与えますが、その契機となったのは武雄でおこなわれた先進的な研究だったのです。 これらは現在、全て武雄市図書館・歴史資料館で保管され、定期的に一般公開されています。